これまでの日記

今と10年前、の旅。

2011年01月05日


ご挨拶が遅くなってしまいました。。。
お元気に新しい年のスタートきられましたか?
あけましておめでとうございます!
これから訪れる2011年の時が、
みなさまにたくさんの幸せを運んできてくれますように。。。
どうぞ今年も、光の切り絵ともども、
よろしくおねがいします(*^_^*)!

年末は、徳島での展示会に、高知の友人達とのひと時に、
二週間ほど四国に出かけてきました。
車ぎゅんぎゅんに絵たちを積み込んで、
2010年最後の展示会、徳島の皆さんに会って参りました♪
帰り道は、絵と同じくらいぎゅんぎゅんに、
胸いっぱいにハッピーを詰め込んで、
愛知にもどることができました。
まったくの未知数だった今回の展示会、
どんな出会いがあるかなぁ~。。。と、ワクワク四国に向かい。。。
終わってみるとやっぱり、未知数なハッピーと驚きをもらいました。
そして、新しい2011年へとつながる、
力をたくさんもらう事が出来ました。いろんな出来事があった
今回の旅路、これからのトキドキ日記の中で、
少しづつ紹介させてくださいね☆

今年はじめての日記は、クリスマス・イヴに訪れた、
驚きのプレゼントについて、お話しさせてくださいね(*^_^*) 
上手く伝えられるかな。。。☆ このドキドキ!
それは10年前の旅と、新しい旅とがつながった瞬間でした。

クリスマスの3日間、徳島県阿南市の光のイベントの中で、
「光の切り絵展」をさせてもらいました。
外には大きなツリーやリースのイルミネーションで浮かび上がり、
ファミリーや恋人達の笑顔と歓声で、賑わっています。。。
そんな賑わう公園に建つ展示施設の中が、私の展示会場です。
イルミネーションを見に来た方たちが、
「ここで何かやってるょ~」といった雰囲気で、
立ち寄ってくださいます。
まったくのゼロからの出会いもまた新鮮。。。 
初めての地で通りすがりの人たちと
、ほんの少しでも心通わせるひと時を持てること。。。
私は会場で人込みに混じりながら、
みなさんが絵とお話ししている様子をとても嬉しい気持ちで
見つめながら、たたずんでいました。私にとって、
絵は人と心通わせてくれるかけがえのない存在。。。
今回のゼロからの出会いで、また改めて感じていました。
   
今回の展示でのあいさつ文も、こんな文章で始まりました。

     「私は、愛知県在住の絵描きです。11年前の春、
     初めて四国を旅したとき、
     私はまだ、絵描きとしての道を歩き出せずにいました。
     先がまったく見えない絵の道に、
     迷い立ち止まっていました。
     四国を歩き風景をスケッチしていると、
     通る方が声を掛けてくださり、
     地元のお話が聞け出会いが広がってゆきました。
     その時間がとても心に沁みこみ、
     『私やっぱり絵と一緒に人と出会う人生を歩きたい』
     そう思ったのが、絵描きとしての一歩だったのだと
     感じています。 それから11年経った今も、
     度々四国に訪れては、展示会や影絵展を通じて、
     あたたかい出会いをもらっています。。。」

その11年前の旅は、友人との二人旅でした。 
私は、勤めていた会社を辞めたものの、
どうやって絵描きという夢に向かっていいのか分からず、
立ち止まっていました。 一緒に行った東京の友人は、
設計事務所を辞め、次の道を模索している時でした。。。 
そんな二人が久しぶりに再会し、
なんの計画も立てないまま、本屋さんで見つけた
「しまなみ海道、この春開通!」という本を片手に、
軽自動車に乗って、とりあえず西に向かったのです。
二人のそれぞれの所持金は5万円あまり。 
その時これは、私のほぼ全財産でした。
下道をくねくねと走り、車中泊やユースホステルを交互にし、
お弁当を分け合っての二人旅は、
とても楽しいものでした。お金もないし、
この先も見えていないのに、なんだか夢はいっぱいで、
でもやっぱりほんのちょっぴり不安もあって、
そんな夢のスタートラインを探すような、
迷い道のスケッチ旅でした。 
10日間で16県を周り、その時が四国との出会いになりました。
四国からの愛知に向かう帰りは、
大阪→奈良→和歌山→三重というルートでした。
奈良県では山の中を走り、十津川いう美しい川が流れる、
十津川村に立ち寄りました。
うねうねの細い山道を抜けると、
そこには笹の滝とい美しい滝が姿を現しました。。。
私は川の大きな岩の上に座って、滝のスケッチを始めました。 
友人はその間、好きなカメラで周りを散策したり、
傍らで待ってくれていました。 その時、
同じく旅の途中のご夫婦と出会い、
絵を描いている私に話しかけてくれました。
そして一度別れてから、もう一度戻ってきてくれて、
おむすびを渡してくれました。
「近くの道の駅で買ったものなの。よかったら食べてね。」 
菜っ葉で包まれた、みどり色の大きなおむすびでした。

そんな出会いの一つ一つが、きっと私に
「絵描きとして生きてゆきたい。」その思いを、
強くさせてくれたのだと思います。

そしてそれから10年以上経った、
今回の徳島県阿南市での展示会。
私のあいさつ文を、じっくり見てくださっているご夫婦がいました。
何度も何度も、読んでくださっています。
お二人で、何やらお話ししています。。。
私から声を掛けようかな。。。そう思った頃、
奥様が声を掛けてきてくださいました。

「あなたが、酒井敦美さんですか?・・・
以前、奈良県の十津川村に行かれたことありませんか。。。?」

私はしばらく考えて。。。
「はぃ。。。10年ほど前、旅の途中で少しだけ。 
でも、展示会なんかはしたことないんですょ。」
私は、以前どこかで似たような作品をご覧なった事があって、
そんなお話しをされているんだと思ったんです。

「いえ、そうではなくて・・・ 岩の上に座って、
滝の絵を書かれていませんでしたか? 
そばに、もう一人お友達が待っていて。」
私「・・・・・・ええぇぇーーーー! それ、たぶん私です。
(頭がまっしろに) ええーー、それ絶対に私です!!
 でも、でも、なんで?なんですかーー!?」
「あの時、あなたを撮った写真をお便りしたら、
スケッチの絵はがきでお返事をくれて、
細かく描かれたスケッチで、しばらくの間、飾っていたんですよ。 
だから、お名前も覚えていて。家に戻れば
今でも取ってありますょ、あなたの絵。
でも本当に、絵描きさんになられたんですね・・・
うれしいわぁ。私たち、このそばに住んでいるの、
これから応援していますね。」

たった一回だけ交わした、写真と絵はがき。 
私は正直、記憶が薄れていました。
お話しを聞きながら、いただいた写真が浮かんできて、
菜っ葉の大きなおむすびを思い出しました。
   
       
                                                    ご夫婦が送ってくださった写真
あの旅から11年、私は今年、初個展から10年を迎えます。 
走ってみたり、立ち止まったり、引き返したり迷ったり、
ようやくあの旅で探していたスタートラインに
立てたような気がしています。
だからやっぱり今でも私の夢はあの時のまま、
「絵と一緒に、人と出会う人生を歩きたい。」 です。
絵を描き続けていて出会えた今回の再会で、
その思いを確認する事になりました
。サンタさん、最高のクリスマスプレゼントをありがとぉ☆ 
そして今、もう一つ芽生えている夢があります。
最近いただくお便りやメール、そして昨年の11月の
名古屋での個展から、もらった夢です。

「友達に絵を見せてもらって、あつみさんの絵を知りました。」
「今度は、母と一緒に展示会に行きます。」
「彼から、あつみさんの絵をクリスマスにプレゼントして
もらった者です。今年は二人で絵を見に行きます。」
「6年前の初デートが、光の切り絵展でした。
今年、結婚することになりました。」

口伝えにつながってゆく、人のつながりのあったかさに、
自分自身が人と出会う以上の、喜びを感じるようになりました。
家族の共通の話題だったり、お出かけの目的になったり、
自分の気持ちを伝える一つになれたり、
誰かと会う約束になったり、
ふとお便りしたくなる絵はがきになれたり、
一人の時もつながりを感じれる存在になれたり、
そんな絵になれたらうれしいな。。。
「私の絵が、人と人とのつながりの一つになれたら、嬉しいな。」

それが、私のあたらしく芽生え始めた夢です。
      
みなさんの心にも、あたらしい夢が芽生えてはじめていますか?
                      
それとも、もう芽生えた夢を、大切に育てている頃でしょうか。
      
まだ、芽生えていなくても、その日を楽しみにお水をあげるのも、
とてもステキな時間です。。。
                 
みなさまの新しい一年が、幸せでありますように・・・!



2000年4月18日 奈良県十津川村 2000年4月18日 奈良県十津川村 





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