2011年12月17日
今年の10月30日、一緒に暮らしていた、
祖母が亡くなりました。
女手ひとつで母たち4人を育ててきた祖母は、
仕事一筋の今で言うキャリアウーマンで、
私が高校生の頃まで、細腕に重たいかばんを持ち、
歩いて歩いて生命保険の営業に回っていました。
働いて働いて、でも、何一つ贅沢のしない祖母でした。
母が4歳のとき、おばあちゃんはご主人を亡くしました。
無一文で幼子4人を抱えた、病院の帰り道、
家族で身を投げようと、橋の上でしばらく動けなかったことを、
叔父さんから、聞いたことがあります。
そこで踏みとどまり、死ぬ覚悟で始めた保険の仕事は、
おばあちゃんの人生そのものとなり、
そして、やりがい、喜びにもなってゆきました。
でも、お金を使うことは最後まで苦手な、おばあちゃんでした。
おばあちゃんが残した歌が、あります。
「 ふまれても ふまれても 野の花は
季節の花ぞ 咲かせてはくれる 」
まだまだ、男の人しか働いてない時代に、今、想像
できる以上に歯を食いしばって、頑張ってきたんだろうなぁ。
そんな厳しい祖母の表情しか、私も大人になるまで
知りませんでした。でも、祖母と、母と、私とで暮らした、
この最後の3年は、祖母の明るさと、優しさに
触れることができました。父がいなくなった我が家に、
おばあちゃんが明るさを灯してくれました。
ひょうきんな事を言って笑わせてくれましたし、
いつまでも私を子供のように扱ってくれた事もなんだか、
うれしくもありました。 母と祖母との、介護漫才?も、
我が家の名物で、賑やかな毎日でした。
ありがとう、ありがとう。。。と、なんにでも手を合わせ、
感謝するおばあちゃんでした。
ふまれても、ふまれても、厳しく生きるという殻の中で、
柔らかな心は、瑞々しく守られていたんだね。。。
今日、四十九日の法要を無事に終え、お墓に入り、
58年ぶりにおじいちゃんと一緒になりました。
きっと、ほっとしてるよね。 「がんばったなぁ」って、
褒めてもらってるね。
また、お墓参りに行くからね、おばあちゃんも、
野の花となって、これからも明るさを運んでくださいね。
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