これまでの日記

はじめての福島の旅。

2015年04月13日

【双葉町県中地区借上げ住宅自治会】主催のコンサート。福島県郡山市にて。【双葉町県中地区借上げ住宅自治会】主催のコンサート。福島県郡山市にて。


昨日、はじめての福島の旅から帰ってきました。
今回の旅は、二つの大切な目的がありました。

まず一つは、12日(日)に行った、池田綾子さんとの
「音と光り絵コンサート」です。
これは、原発の事故によって、住む事のできなくなった、
双葉町の方たちが郡山市に移住され、その自治会の集会での、
イベントとして、呼んでいただきました。

NHK・BS「こころ旅」で流れる綾子さんの歌に心ひかれた、
自治会事務局の高田さんが、綾子さんにメールされたことが
きっかけとなりました。
そこに光の切り絵もご一緒させていただき、
ピアノ長谷川久美子さん、バイオリンCHICAさんと4人で、
「音と光り絵コンサート」を、お届けすることが出来ました。

会場には、綾子さんのどこまでも優しい歌声が、
長谷川さんのピアノ、CHICAさんのバイオリンの音色が、
双葉町のみなさんに体に心に降りそそぎ、一曲毎に、
あたたかさに満ちてゆくのが感じられました。
光の切り絵も、みなさんの心を照らせるよう、
スクリーンからはみだして、大きく映しました。
ほんの1時間ほどの時間でしたが、あたたかな時間を、
双葉町のみなさんと共有できた事、とてもうれしく思いました。



そして私は、郡山市の会場で、音楽チームのみなさんと別れて、
愛知から来られた「ゆめゆうと」市古さんと合流し、
車で2時間、南相馬市の方へと向かいました。
これが、二つ目の目的です。
震災後から絵本の読み聞かせの活動を継続的に行われてる、
「ゆめゆうと」の市古さんから、お声がけをいただき、
10月11日に、南相馬市で野外幻灯を行うことになりました。

今回は、その投影プランを決める現地視察と、
地元の方に光の切り絵を知っていただくためのテスト投影を、
行うためです。
夕方7時に、南相馬市のわんぱくキッズ広場に到着し、
テスト投影の準備を行っていると、すぐ目の前にある仮設住宅に、
お住まいのご年配のお父さんお母さん方が、口コミで聞いて、
集まってきてくださいました。途中、電話などで誘ってくださり、
見てくれる方が増えてゆきました。。。ウレシイ!

市役所の方、地域でさまざまな活動をされてる方々、
幼稚園の先生、25人ほどの方が、テスト投影の様子を
見に来て下さいました。
そして、口々に「これは、一人でも多くの人に見せてあげたい!」
「早く、チラシを作って、みんなで知らせよう!」
「協力します。」と言ってくださり、10月11日の本番に向けて、
地元の皆さんと一緒に、進んでゆけるような、
気持ちを一つにできる、そんな時間となりました。

「子供たちが、どうやって遊んでいいか、なかなか分からなくて。
遊ぶ場所や機会がないんです。。。」とも聞きました。

また、仮設住宅の集会所に打ち合わせに伺ったときには、
「仮設を出てゆくのも、残るのも、みんな悩み、心痛み、
人に会わなくなり引きこもるようになっていて、
みんなウツになりかかっていて・・・こんな絵が見れたらいいわ」
とも、言ってくださいました。

私が「福島には、はじめてきたんです。」というと、
ふと目をふせられ、「そうよね、来たくない場所よね…」と言われ、
私が「いつか、絵をお届けに来たいと思っていたけれど、
空腹も暖も満たせない絵を届けにくること、自己満足になって
しまうのではと思うと怖くて、今まで来る勇気がなくて…ようやく、
こうして来られた事すごくうれしいんです!」と伝えました。

2日間の滞在でしたが、いろんな言葉を聞き、風景を見ました。
除染でそぎとられた土が入った、黒い大きな袋が、いたるところに、
積み重なっていました。
でも、遠くに目をやると、美しい里山の風景がひろがり、
そこらじゅうで山桜が咲き誇り、それは美しい景色ばかりでした。
今更ながら、残念で、残念で、仕方がありません。
私って本当に鈍感、来て見たことで、心の底から悔しくなりました。

この悔しさも、残念な気持ちも、聞かせてもらった言葉も、
美しい風景も、創作への力と変えて、
10月11日のたくさんの笑顔を目標に、これから
「ゆめゆうと」さんと、南相馬市のみなさんと、協力しながら、
進んでゆきたいと思います。



福島県南相馬市【わんぱくキッズ広場】秋の野外幻灯にむけての試写を行いました。福島県南相馬市【わんぱくキッズ広場】秋の野外幻灯にむけての試写を行いました。


○南相馬市での野外幻灯のご案内




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